思いを最大限に形にするために著作、デザイン、製本まで一貫して自らの手で行っています。
あまり一般的ではないのかもしれません。　ですが、研ぎ澄ました表現を追求しています。

内容が最も伝わりやすいように絵や文などの情報は最小限にして、読み手の裁量を最大にするようにしました。　ですが文と絵との間にはとても強固な結びつきがあります。　ちょっと”なぞなぞ”に近いかもしれません。　大人から子供まで読む度に新しい世界が広がります。　また本文には英語訳も併記されています。

原作の絵は切り絵です。　そのため製品は実際には切り絵ではありませんが、立体感のある切り絵のような質感が再現されています。

単に精度の高い製本による美しさというだけではなく、色の調整を詰めて本の題名すら廃した表紙の潔いデザインによってお部屋に飾ることもできます。　また、あえて表紙の表面をビニールで覆わず、読みながら常に心地よい手ざわりを楽しめるようにしました。

エンボス加工された表情豊かな分厚い紙（連量146ｋｇ）に大豆油インクでオフセット印刷しています。　それらを直径0.7ミリの純綿糸でしっかりと綴じ、でんぷんのりで強力に接着しています。　また紙、でんぷんのり、綿糸は天然素材ですので、湿度や気温によって絶えず変形します。　そのため試作を繰り返し全体のバランスを取り、反りや歪みを殆どおこさない設計にしました。　1冊ずつ丁寧に、そして頑丈に手で組み上げた質感の高さを是非ご覧ください。

最後までお読みくださりありがとうございます。　たつのいえの本は、内容も本そのものも時の流れに耐えて思いを伝え続けます。　この本があなたの本棚に並び末永く在りますよう心から祈っています。